http://www.atmarkit.co.jp/im/cbp/serial/kaizen/02/01.html
KPIとは、「Key Performance Indicator」の略称で、「重要業績評価指標」などと訳されます。KPIの定義は論者によって若干の違いがあるようですが、おおむね「経営がうまくいっているどうかを判断するための定量的な指標」、というのが共通概念になっています。 このレベル感を整える切り口として、バランス・スコア・カード(BSC) の4つの視点があります。BSCでは、財務、顧客、業務プロセス、従業員の学習と成長、という4つの視点で業務の定量化を図ります。
参考までに、これら4つの視点は、
売り上げアップ(財務の視点)
↑
お客さま満足度の向上(顧客の視点)
↑
納期短縮を実現する業務改善の成功(業務プロセスの視点)
↑
では、このように細分化された業務プロセスに対してKPIを設定するにはどうしたらよいのかを考えてみましょう。
次に、測定基準の明確化についてです。
納期短縮(=速度)であれば、測定範囲(スタートからエンド)内の全作業の担当者の所要時間とアウトプット数を計測することで、1アウトプット当たりの処理時間を算出することができます。
費用であれば、測定範囲内の全作業の担当者の所要時間とアウトプット数を計測し、時給単価を掛け合わせることで、1アウトプット当たりの労務コストを算
出することができます。
品質(=精度)であれば、測定範囲内において、インプットからアウトプットへの変換確率を計測することで、1アウトプット当たりの必要インプットを算出することができます。
見ると計るの関係
ここまで、見る技術と計る技術について、それぞれ解説してきましたが、ここで見ると計るの関係を整理してみましょう。
現状把握において、業務の可視化(見る)と定量化(計る)は、「見えるからこそ、適切に計ることができる」「計るからこそ、適切に見ることができる」という相互依存の関係にあります。
「見えるからこそ、適切に計ることができる」とは、前段で見てきたように、業務フローチャートによって業務プロセスが可視化されているからこそ、具体的なKPIを定義することができる、ということです。
一方、「計るからこそ、適切に見ることができる」とは、業務を大きく定義したKPIによって、問題の核となる部分を予測することができるからこそ、効率良くそのプロセスを見ることができる、ということを意味します。
計る――KPIを通しての着眼点
KPIによって「計る」場合には、KPIの類似・差異、変化・傾向、異常・集中、重要度に注目します。計測したKPIを表やグラフにし、これらを眺めることで、問題を発見し、また、その解決の糸口を見つけることができます。
類似・差異の視点とは、他支店の同部署の数字を比較したりすることなどを通して、類似や差異に注目することです。
変化・傾向の視点とは、時系列で同じデータを比べることなどを通して、その変化や傾向に注目することです。
異常・集中の視点とは、取得したデータの標準偏差を算出することなどを通して、分散、つまりバラツキに注目することです。
重要度の視点とは、棒グラフや円グラフで、割合を見たりすることなどを通して、影響度に注目することです。