1年生4月~6月の練習メニュー-soccer

1年生4月~6月の練習メニュー

  1. 基本的な考え方

 サッカー自体はルールが少なくて簡単なゲームなので、みんなでやって楽しいという事を第一に伝える。そしてそれを実現していくための基本的な動きや、ボールフィールを経験値にしていくことがこの時期の練習の目的となる

①     ここに来て楽しいと思う

・  仲間といる楽しさ

・  運動する楽しさ

・  競争する楽しさ

②     サッカーが好きだと感じる

・  ボールを少しだけ自由に扱う

・  頑張って褒められる

・  もっと上手くなりたいと思う

 

③     練習時間は1時間~2時間

 内容にもよるが、練習時間は子供の集中力をみながら決めていく。できるだけ練習メニューを10分単位に切って、休憩、給水、子供達同士での話し合いの時間を2分くらいとる。団体行動の基本として、同じ様な動きをする場合は例外なくついてくるようにしなければならない。少なくとも最後の30分はゲームをさせる。子供達にはグラウンドにサッカーをしにきたことを強く印象付けるようにしていくことも重要。

  

  1. 運動(ステップやアジリティ)

(1)    走る

 競技(競争)の基本は相手より速くとか強くとなるが、まずは走り方がきれいかどうかによって、速さや技術の実現に差が出ると考える。子供達はゆっくり走らせると、足を引きずったり、走り方がきれいでなくなる。一生懸命走ることをまず覚えさせる。そのためには、長い距離を闇雲に走らせて疲れさせたり、速い子に差をつけられてやる気がなくならないように、短い距離を全力で走るように仕向けていくことが重要。どんな練習でも自分の番になったら「ハイ!」と声を出してスタートすることを徹底。

①    真っ直ぐに走る。グラウンドにコース(レーン)が出来ている場合は、そこからはみ出さないように走らせる

②    真っ直ぐに走る。グラウンド上に描いた線上を両足とも外れないようにして走る。

③    ゆっくり足音を立てないようにして走る。つま先だけで走って、足を引きずったり、べた足にならないように足の裏に神経を集中させて走る。

④    ダッシュ。10mくらいを全力で走る。がむしゃらに走る経験値をつけるのが目的。

⑤    10mダッシュの往復。ターンのイメージをつけさせる。

⑥    10mダッシュ3往復。それ以上だと、疲れて練習効果が薄れる。また、指導者のいるところまでダッシュしてターンするのも応用として面白い。指導者は前後に動き目標を変える。これは、目標を確認するルックアップの練習にもつながる。

⑦    小さく速いステップ(足踏み)からダッシュ。ステップとダッシュの混合。

⑧    10mダッシュしたら、ストップしてそのままバックステップで戻る。

⑨    いろいろな姿勢、動きからダッシュ。動きの組み合わせを経験させるとともに、グラウンドで転んだ際の怪我の回避のために、地面を怖がらないようにする。ジャンプ、前転、後転、横に転がって、腹ばいから、仰向けから等々

 

(2)    体を動かす

体にいろいろな動きを教えていけば、いざという時に対応できる体になる。特に、足の運びと、腕の使い方。ジャンプや、ボール投げ等サッカー以外の動きを遊びの中にとりいれていく。サッカー=手を使わないスポーツではない。手の動きは、足の動きと同様に重要で、バランスをとったり、合図をしたりする時にかかせない。それだけを独立した練習にしないで手で投げたボールを、手で受けて投げるというキャッチボール的な要素もとりいれていく。スローインの際に、きちんとボールを投げる習慣もできるだけ早いうちに習得させたほうがいいと思っている。二人一組になる場合、仲の良い子とばかり組みたがり、あぶれる子が出てしまうことがある。恣意的な要素がはいらないように、背番号順等にして組み合わせをリードする。

①    スクワットは足の筋肉の強化ではなく、足のつき方と構えの習得。両足を肩幅に開きつま先を真っ直ぐ前に向け、胸を前に倒さないようにして膝を曲げる。この姿勢がフットワークの基本姿勢となることを理解させるはかなり困難。まずはこんな感じという程度でよい。姿勢ができたら、10回くらい屈伸させてみる。これは、競争等の罰ゲーム向き

②    ボール投げは、片手、両手とも習得させる。特にスローインに関して、丁寧に教えることが重要。2人1組となって両手をボールの真ん中よりやや後ろにして保持し、体を向けているほうに投げる。相手はこれを手でとって、同じように投げる。

③    ②の変形として、片手で投げたボールを両手でとり、片手で投げる。

④    ③の変形として、片手アンダースローで投げたボールを両手で取り、片手で投げ返す。

※上記練習は、トラップやキックの練習に変形していくが、この時期にキック重視にしてしまうと、できる子と出来ない子に差が出て、つまらなくなる子がでる。あくまで全身運動の一環としてボールを扱うようにする。

(3)    ステップワーク

【その場で器具を使わずにする】

器具を使わない練習は、試合会場でのアップ等制約がある練習環境で重要となる。器具を使った方が練習効率を期待できるが、全て恵まれた環境の中で練習するわけではないので練習のバリエーションをいろいろ考えて、増やしていく必要がある。

①    両足をそろえて立ち、軽く足踏みしながら「1,2,3」で右足を前に上げる。次の「1,2,3」で左足を前に上げる。全員で声をかけながら、指導者の方を見るようにして行う。だいたいみんなできるまで、10セットくらい繰り返す。

②    ①の変形。足を上げるかわりに「1,2,3」で腿(膝)をできるだけ高く上げる。

③    ②の変形。上げる足を、外側から内側に上げる。

④    ③の変形。上げる足を、内側から外側に上げる。

⑤    両足をそろえて立ち、ほんの少し前かがみになり、膝を軽く曲げてその場で素早く足踏みをする。できてきたらどんどんスピードを上げる。

⑥    以上の練習のなかで、指導者は手を高く上げてその指の数を答えさせる。これは、ルックアップの練習。ルックアップは首をふることよりまず目標を見ることを具体化して指導する。

  【器具をつかった練習】

   器具を使った練習は必ず指導者が、見本を見せて一緒に行う。子供達が上手くできなくてもいいので、とにかくやらせる。出来ない子を励まし、できた子は褒める。下記の練習を続けて行うのはかなりきつい。しかし、子供は身軽なのでたいていはついてこれるはず。ポイントは決めた回数を必ず大きな声で数えさせる。また、ここでも指導者は手を上げて指の本数を数えさせるなど、子供達の視野を意識した練習の運営を心がける。

■  マーカーコーン

もっともポピュラーなもので、利用範囲はライン、ラダー、コーン(パイロン)の代役として広く活用できる。価格も安価なの、ビブスとともにそろえておきたい。

①    マーカーコーンの10cm後方に立ち、左右のつま先で交互にマーカーコーンをタッチする。        20回/1セット×2

②    ①の変形として、マーカーコーンの真横に立ち、横とびしながらマーカーコーンにタッチする。      20回/1セット×2

③    ②の変形としてマーカーコーンの横に立ち、足をマーカーコーンの前に出す動きを左右交互に繰り返す。  20回/1セット×2

④    ①~③を1セットとして2セット通しで行う。上手く出来なかったらやり直し。

⑤    マーカーコーンを30cm間隔で5個並べ、踏まないように走る。マーカーコーンの間は、指示された動作をする。一歩ずつ、二歩ずつ、左右に動きながら二歩ずつ等変化させて行う。動きは、ステップの練習で行ったものを取り入れ、目標地点でステップするという流れにする。

■  スピードラダー

子供達には物珍しいようで人気がある。マーカーコーンと同じメニューでもよい。足をつくところが明確になるので、ステップの応用には効果的。この練習のなかでカリオカ等の複雑なステップを見せると、より興味が増す。

■  パイロンとミニコーン

パイロン(高さ80cm)、ミニコーン(高さ40cm)は子供が縦の動きに中に、横の動きを取り入れる際に効果がある。50cm感覚で一列に5本並べて、脇をすり抜けるように走る練習は、相手を抜く動きにつながり、ドリブル練習の基礎となる。子供にとって、パイロンはかなり大きな目標なので、30mくらいを走る目標にもなる。

 

  1. ボールフィール

   ボールを使った練習を始める前に、指導者はまず4号球が6年生でも試合球として使用されていることを認識しなければならない。つまり、4号の縫いボールは低学年の子供には大きくて重過ぎる。かといって、公式戦は4号の縫いボールと指定されることが多く、低学年用に軽いボールが必要となると、保護者にも負担がかかる。代替案を含めて下記のような練習が考えられる。

 

■  中古テニスボール

大きなスポーツショップ等で、廃却として回収された中古テニスボールを譲り受けるなどして、ドリブル、キック、胸トラップ、ヘディング等、ボールを体のいろいろな場所でタッチする感覚を経験させる。小さいし、当たっても痛くないのでボールフィールの入門編として最適。

①     指導者が投げたボールを胸でトラップし、キックして返す。

②     ①の変形としておでこでトラップしてキックして返す。

③     自分で投げ上げたボールを胸や、腿、肩など自由にトラップする。それを5分程度続ける。

④     フリードリブル

■  リフティングボール

  リフティングは体力的に難しい子もいるので、やりたい子に経験として触らせる程度でもよい。

■  サッカーボール(4号縫いボール)

  この時期に2人1組でキックの練習をさせても、達成度にバラツキがあり過ぎて練習効率が悪くなる。個人練習だけに絞るほうが、個人の伸びにつながる。また、まずキックを教えるとすぐに蹴る子になってしまう危惧があり、ドリブルするベースに特化して指導する。

①    フリードリブル。とにかくドリブルしてみる。10m四方の中を自由にドリブルし、方向を変えたり、子供の間をすり抜けたりする。指導者は、下手でもとにかく動くことを指導する。たまにストップして手を上げ、子供に指の数を数えさせることもルックアップの練習として効果がある。

②    ボールをバウンドさせて止める。足をあまり上げさせず、胸、腿、頭等をつかったストップの練習に絞る。

③    ボールを投げる練習。片手、両手、スローインをイメージする等、なんでもよいので手でボールを扱う練習をする。

④    指導者がドリブルするボールを追いかける。とる時は、蹴らないで体をいれて自分でドリブルすることにする、大人1人に対して子供5人くらいまで。ボールを捜してみんなで追いかけることを、まず徹底する。

  

  1. ゲーム

 サッカーの醍醐味は全てゲームにある。しかし、低学年の子に11人のポジションをきっちり決めたサッカーをさせようとするのは無理。まずは、複数の子供がコートに入り、一つのボールを追ってゴールを目指すことを体感させるのが一番。指導者の目が届き、ボールにたくさん触れるという観点から、3人から4人で1チームを作って、5分試合をさせ、組み合わせを変えてどんどん、まわしていくのが楽しいようだ。勝ち負けや、失点にこだわらずとにかくボールをとって得点することだけを指示して、あとは乱暴なプレーや、行き過ぎた非難の声を牽制するにとどめるのが望ましい。「スペース」とか「パスを出せ」とか大人用語は不要で、子供は聞いても理解していない。ただ時間だけは、計ることが必要。ロスタイムをとらないで5分が妥当。これは、5分単位でメリハリをつけるため。試合を控えている場合は、大会規則等に則して試合時間を変化させても良い。5月を過ぎると暑い日もあり、給水は10分間隔で少しずつということも指導していくと、熱中症の対策にも効果がある。ゲームのバリエーションは、

 

①2対2の試合は、試合としての最小構成。10m×5mのコートにパイロンのゴール

②3対3、4対4の試合は、15m×8m~30m×12m(ペナルティエリア)。ゴールは2~4つくらいで行う。

③8対8の試合。GKなし。公式戦と同じだが、3対3のゲームと同じようにさせる。いずれのゲームでも、GKを決めた場合は手を使ってもいいが、極力とったボールをドリブルさせる。ゴール前のピンチを自分で作ることをたくさん経験させる。

 

  1. まとめ

 1年生の4月~6月までは、つい先日まで幼稚園児であったことを認識して、サッカー=遊びでよい。楽しくなければ、やる気にならないことを十分に意識して、目標や達成度をあまり意識せず、できる範囲でという感じが大切。しかし、だいたいの子供は競争が好きなので、それに流されないことも重要。ついてこれない子が疎外感をもってしまうことを常に意識する。また、動きの基本はやってみせながら覚えさせないと、1年でかなり差がつく。基本姿勢や、足のつき方、スローイン等の動きは覚えない子もいるので、まずはやってみせて練習メニューをこなす中でも、常に声をかけて意識させるようにする。また、サッカーは団体競技なので一人一人自分の役割をこなすことを求めすぎてはいけない。失点しても、誰がやられたからではなく、自分ががんばらなかった、みんなががんばらなかったからと常に言わせるようにする必要がある。そのために、あえてGKを含むポジションを役割として決めないことも大切。

試合に関しては、勝つことよりも得点を取ることを意識させる。得点をたくさん取れば勝ちはついてくるので、相手より多く得点するにはどうするか、子供に考えさせる習慣をつけていく。子供は、結果に対して原因や過程を考える習慣をつけることで、プレーの修正を自分でするようになる。

 

(1)  楽しむ:サッカーを遊びとして考える

(2)  仲間になる:役割よりもみんなで取り組む

(3)  発想する:子供に考えさせる

 

そして一番大事なのは、指導する側が子供たちに信頼され、指導すること自体を楽しむ事ができるかということです。そのために常に、目を配り、方針や練習内容を振り返り修正していく努力を求められていると自覚することです。

转载于:https://www.cnblogs.com/choucou/p/3369694.html

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