Mr.Children 『四次元の新曲が遂にヴェールを脱ぐ・・・!』
音楽が持つ力。癒してくれたり、力を与えてくれたり、時には涙を誘うこともある。前向きにメッセージするものもあれば、攻撃するような音楽もある。ポジティヴであれ、ネガティヴであれ、心の中にあるいろんな軸に作用して、聴いた人の胸に何かの“形”を残していける、それが良い音楽、力のある音楽だと思う。Mr.Childrenが13ヵ月ぶりにリリースするシングル「四次元 Four Dimensions」。このシングルには、そんな音楽が持つ力がみなぎっている。
1曲目はポカリスエットのCMでおなじみの「未来」。まるでロードムービーを見ているように、ヒッチハイクをしている男の姿が浮かぶ。走っている道は男の人生。葛藤したり、悩んだり、未来を疑ったりしながらも、光を見出そうとしている姿に、最後は力をもらう。
続いては「and I love you」。カップヌードルのCM曲にもなっているが、こちらはタイトルからもお察しの通りのラブソング。いろんなことを乗り越えて、未来へ歩いて行く決心をした恋人たちの歌だ。愛すがゆえに出てくる不安な気持や、臆病になったり、心の中に渦巻くいろんな感情がすべて内包されているからこそ、“ I love you”という言葉は、心にズシッと重い。ちなみにこの曲は、丹下紘希(イエローブレイン)監督のミュージックビデオも収録されているので、映像と合わせて聴くと、また違った感動がある。
3曲目は彼らのシニカルな部分が浮き彫りにされた「ランニングハイ」。のっけから“バカタレ”と、攻撃的なフレーズが飛び出す。そして、4曲目は 「ヨーイドン」。フジテレビキッズ教育番組のテーマソングらしく、子供から大人へと向かう年頃を思いおこさせるようなナンバーだ。
サウンドも歌詞も、4曲4様。しかし、聴いていると、1枚を通して人生は旅のようだなと思えてくる。未来を思い、旅を続ける4人の主人公が、もがいたり、葛藤したり、前向きになったり、人を愛したり、人生を皮肉ったりしながら生きている。また、人生が良いことばかりでないように、音楽にも柔と剛の性質があるということを、この作品は教えてくれる。そして、ふつう、シングルといえばタイトル曲というものが存在しているが、このシングルにはタイトル曲がない。でも聴いたらそれも納得するだろう。シングルと言えども、この作品は“四次元”の人生を旅するロードムービーのような作品なのだから。