ftpコマンドの使いかた

ファイル転送の一般的な手順は

1. ファイル転送を行う計算機と接続する
2. 目的のディレクトリへ移動
3. ファイル転送
4. 接続を切り，終了

となります． これらの手順は，ほとんど ftpのサブコマンドで 行ないます．

 

ftpのプロンプトが出ている状態で，

ftp> help

と入力すると，使えるサブコマンドの一覧がでます．

使えるサブコマンドは，計算機によって異なる可能性があります． よって，以下で説明するサブコマンドが使えない可能性もあります．

更に，

ftp> help subcommand

とすると，サブコマンド subcommandに 対する説明が，簡単に表示されます．

 

最低限覚えておくべきサブコマンドは，以下の通りです．

open

接続する．

get (mget)

(複数の)ファイルを kyu-ccから取ってくる．

put (mput)

(複数の)ファイルを kyu-ccへ送る．

ascii, binary

ファイル転送モードをアスキー，又はバイナリにする．

dir, ls

ファイルのリストを表示する．

cd

ディレクトリ移動する．

!

接続元のシェルへ退避する

close

接続を切断する．

exit

ftpを終了する．

これらのサブコマンドは，完全に指定する必要はなく， サブコマンドの中で，一意に判別できる長さを入力すれば十分です． 例えば，"as"で始まるサブコマンドが asciiだけの場合は，

ftp> as 

まで入力すれば， ascii を指定したことになります．

 

接続

ftpを使って， kyu-ccとの接続を行うには

local% ftp kyu-cc.cc.kyushu-u.ac.jp
Connected to 133.5.8.9.
220 kyu-cc FTP server (UNIX(r) System V Release 4.0) ready.
Name (133.5.8.9:user): username               <-ユーザ名
Password: ******                              <- パスワード

と表示されます． Nameにはデフォルトでは， localにおけるユーザ名 が表示されます(上の例では user)． そのままリターンキーを押すと userで，接続を試みます． localと kyu-ccにおける ユーザ名が違う場合は，ここで正しいユーザ名を入力してください． これで，接続が完了します． 接続後は， kyu-ccの ホームディレクトリにいることになります．

 

上の接続手順は， ftpのサブコマンドでも行うことができます． まずftpを起動します． ここで，openサブコマンドを使って

local% ftp
ftp> open kyu-cc.cc.kyushu-u.ac.jp

とします．

 

目的のディレクトリへ移動する

ファイルをkyu-ccからとってくる場合， 最初に，目的のファイルのあるディレクトリへ移動する必要があります． 逆に，ファイルをkyu-ccへ置く場合も， ファイルを置くディレクトリへ移動する必要があります． このような接続先でのディレクトリ移動にはcd サブコマンドを使います． 目的のディレクトリがdirectoryだとすると，

ftp> cd directory

とします． 現在のディレクトリにあるファイル(含むディレクトリ)を表示するには

ftp> dir
ftp> ls

などとしてください．両者は，表示形式が違います． また，両者とも，引数にディレクトリを渡すことができます． 引数にディレクトリを渡した場合，カレントディレクトリではなく， そのディレクトリにあるファイルが表示されます．

 

新規にディレクトリを作ったり，ファイル(含むディレクトリ)の名前を変えたり することもできます．詳しくはマニュアルを参照してください．

接続先(kyu-cc)でのディレクトリ移動 だけでなく，接続元(local) のディレクトリを移動したい場合があります． このような場合は，

ftp>lcd directory

としてください．

接続元でのディレクトリ変更は，以下のように書いていましたが， 間違いです(SolarisとFreeBSD付属の ftpで確認)． このような場合は，"!"を使って

ftp>!cd directory

としてください．(2000/2/8)

カレントディレクトリにあるファイルを見るには，

ftp>!ls

としてください．

 

接続元に対するサブコマンドが，あらかじめ用意されている場合もあります． 例えば，cdに対して， lcdが接続元でのディレクトリの移動を行ないます． 一般に，サブコマンドの前に"l"(エル)が付く場合は，接続元に対するサブコマンド であることが多いようです．

ファイルの転送を行う

ファイルの転送を行う前に，転送のモードを指定しておく必要があります． 転送するファイルがアスキーファイルの場合は， 転送のモード指定は，

ftp> ascii

とします．バイナリファイルの場合は

ftp> binary

とします．

 

転送モードの指定が終わったら，実際にファイル転送を行ないます． ファイルをkyu-ccから取ってくるには

ftp> get filename

とします．保存するときのファイル名を別にする場合は

ftp> get filename filename2

とします．これで filename2という名前で保存されます． 複数のファイルを一度に取ってくるには，

ftp> mget file1 file2 file3

などとします．

 

逆に ファイルをkyu-ccへ送るには

ftp> put filename

とします． 複数のファイルを一度に送るには

ftp> mput file1 file2 file3

などとします．

 

終了する

ファイル転送が終了したら，まず

ftp> close

で接続を切ります． 他の計算機とのファイル転送が必要な場合は

ftp> open hostname

として，その計算機へ接続しなおしてください． ftpを終了する場合は，

ftp> exit

または

ftp> quit

としてください．