JLPT N2 文法 Day 1
1. ~にしたら、~にすれば
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AにしたらB、AにすればB ⇒ Aの立場から考えるとB
A: 名詞(人・組織の名前)
B:Aの立場から考えた気持ち
例文:
①(りんさんは友達と一緒に飲んでいる時、お母さんからたくさん連絡が来て)
リン:お母さんは心配しすぎなんだよ。
友達:お母さんにしたらりんのことが心配なんだよ。(友達は:心配していない)
②アルバイトをする人にすれば時給は高いほうがいい。
③タクシードライヴァー:高速道路ができて便利になったが、地域住民にしたら騒音(そうおん)がひどくなってあまり嬉しくないだろう。
2. ~にしても、~にしたって
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AにしてもB、AにしたってB ⇒ Aの立場から考えても同じくB
A: 名詞(人・組織の名前)
B:Aの立場から考えた気持ち
①ゆうき:両親にしても早く息子に自立して欲しいようだしね。(両親:自立して欲しい = ゆうき:自立したい)
★注意点:~したって:書くときにはあまり使わない。話す時だけです。
②警察にしたって事件は少ないほうがいいに決まっている。
③彼氏:君もいろいろ言われて大変だろうけれど、両親にしても・にしたって君のことを大切に思っているんだろう。
3. ~に関して
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Aに関してB
意味:Aに関係があること
A:名詞
B:文です(sentence)⇒話す、聞く、書く、調べる、説明する、考える、報告する など
★Aに関してB⇒についての硬い(かたい)言い方
売り上げが下がっている問題に関して、私から報告します。
授業の内容に関して、わからないことがあれば聞いてください。
環境問題に関して、私たちもうすこし考える必要があります。
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Aに関するB
返品に関するお問い合わせは、今から申し上げる電話番号にご連絡をお願いいたします。
申し上げる⇒言いますの謙譲語
Aに関するB⇒ B:名詞
4.~のことだから
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AのことだからB 文の最後だから、=AのことだB
意味:AなのだからきっとB
A: Aは話す人がよく知ってること(聴く人も知っていることが多い)
B: Bは話す人がAから考えたこと(推測・推量)
マイク:ジムのことだから30分は遅刻すると思うよ。
マイク:王のことだから余裕でN2の試験に合格するだろう。
真面目な彼のことだから仕事はきちんとやるでしょう。
忙しい彼のことだから、今日の飲み会も参加できないでしょう。
5. ~にあたって
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AにあたってB(=Aに当たりB)
意味:Aをする時にBの硬い表現(書く時や、ビズネスで使うこと多い)
Aが特別なとき、重要なときに使う(例:入学、卒業、入社、転職、結婚、試験など)
A:動詞の辞書形/名詞
例文:
① 入社にあたって3回の面接を受けました。
② 新商品を作るにあたって1000人へアンケートを行いました。
③ 試験を受けるにあたって大切なことを話します。
④ 転職するにあたって色々な会社の求人情報を調べています。(求人情報は:仕事の内容や働く時間、給料、会社の場所などが書いてあるもの)
6.~かねる
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Aかねる
意味:Aできない⇒話す人の気持ちや、立場から「Aできない」と言いたい時に使う
★ビジネス、接客で使うことが多い
★「できない」とはっきりいうのではなく、すこし曖昧に言いたいときに使う
A:動詞のます形(
マス)駅員:私にはわかりかねますので、あちらの窓口でお聞いください。
困っている旅行客を見かねて王さんは助けてあげました。
一度使用した商品の返品はできかねます。
日本で就職するか、自分の国へ帰って仕事を探すかまだ決めかねています(決められません)。
7. げ
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Aげ
意味:Aそうだ、Aそうな様子だ(ここのそうだ:様態だけです(伝聞ではない))
★人の気持ちを表す言葉と一緒に使う(得意げ、悲しげ、楽しげ、寂しげなど)
表す⇒あらわす
A: 主に:い形容詞
い/な形容詞(良い⇒よさげ、ない⇒なさげ)★たまに動詞、名詞と接続することもある、マス形
マス+げ 名詞+げ、例:不満がありげ、意味がありげ
大人げない
トムくんはテストで100点を取って、得意そうだ = 得意げだ(人の気持ちの文だから、げを使えます)
このケーキは美味しそうだ。(×げを使えません)
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例文:
- トムくんは得意げな顔で、友達に100点のテストを見せている。
- リサちゃんは悲しげに俯いている。
- ボブさんが気持ち良さげに歌っている。
- 彼はいつも自信がなさげだ。
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ポイント:
※1.目上の人(上司、先生、先輩など)のことを言うときはあまり使わない。
(×)課長は得意げな顔で発表している。
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8. ~に先立って
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Aに先立ってB
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意味:Aの前の準備で、必要なBをする
ポイント:Aは大事なことや、特別なこと、大きな仕事の言葉(マンションの建設、引越し、留学、卒業など)
( × 寝るに先立って電気を消す)
( ○ 寝る前に電気を消す)
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接続:A:動詞の辞書形/名詞/~するの形を取るもの:建設
する、引越しする -
例文:
- マンションの建設に先立って周辺住民に説明する必要がある。
- 大阪へ引越しに先立っていらない家具は処分した。
- マンションの建設を始めるに先立って周辺の住民に説明する必要がある。
- マンションの建設にに先立つ周辺住民に説明する必要がある。(後ろは名詞の時、に先立つ使えます)
- 取引先との打ち合わせに先立って資料を集めておかなければならない。
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