懸念される家庭用エネルギー価格の上昇を抑えるために、経済産業省が思いきった決断を下した。同省資源エネルギー庁に置かれた総合資源エネルギー調査会・基本政策分科会の「ガスシステム改革(かいかく)小委員会」(会長、山内弘隆・一橋大学教授)が1月30日、都市ガス事業の全面自由化を大筋で了承したのだ。
これにより、家庭向けの都市ガスにも新規参入が認められ、料金規制も撤廃される見通しで、大口だけでなく家庭用でも価格競争が始まることとなりそうだ。ガスの小売り自由化が進めば、ガス価格の引き下げが進み、電気との競争も激しくなると見られる。上昇が懸念される電気料金の抑制につなげる狙いがある。
経産省は今年夏をメドに制度設計を終え、2015年の通常国会にガス事業法改正案を提出。早ければ2016年にもガス事業の完全自由化が実現する。一般家庭でもガスの供給会社を選べるようになる見通しだ。家庭向け市場の開放で新規参入が増えれば、価格の競争が始まるほか、新たなサービスが生まれる可能性も出てくる。